日本の地名の中国における登録状況について/日本一わかりやすい中国商標

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日本の地名の中国における登録状況について

中国で、日本の地名が商標として登録されていることが近年問題となっています。

ここに、千葉県議員 網中肇氏より委託を受けて、当センターで日本全国の市及び東京都23区名が中国で商標として登録されているのかどうかについて

調査しました。あくまでも登録状況の有無についての調査であって、いわゆる冒認出願なのかの判断は難しく、また中国企業、日本企業がまっとうな

方法で登録している例もあります。

中国における日本の市名等に関する商標登録状況の調査結果について

 

 

1 調査目的

中国における日本の市名等の商標登録の状況について調査を実施し、現状を把握することで、各市等における今後の適切な対応を促すことを目的とするものである。

 

2 調査方法

中国国家工商行政管理総局商標局ウェブサイト「中国商標網」 を使用し、平成25年2~5月に調査を実施した。

 具体的な調査方法は以下のとおり。

① 「中国商標網」における商標総合検索機能(商标综合查询)を使用。

② 商標名称(商标名称)の項目に日本の市名等を入力。

③ 入力した地名等を含むものを検索。

 

3 調査結果概要(都道府県別の登録団体数)

既に無効となった登録商標を除き、日本の市及び東京都区部(23区)812団体のうち361団体の市・区名について、当該団体名と同一の商標登録が確認された。

全国市1.png

 

 

 

 

 

 

4 調査結果概要(都道府県別の登録団体内訳)

前記361団体の都道府県別の内訳は以下のとおり。

 

全国市2.png

 

 

5 注意点

本調査における注意点として、

1 日本国内の地名が、中国国内において公知ではない可能性も極めて高いこと

2 同じ漢字文化圏であることから、市・区名が中国内において別の意味を有した語として使用されていること(例えば、中国内において同じ漢字を使用した地名が存在する可能性もある)などの可能性も極めて高いこと

3 日本国内の企業があらかじめ権利を保護するために登録したケース、日本と中国の合弁会社が登録したケースなども十分考えられること

などから、当然ながら上記調査の全てが冒認出願という訳ではなく、中国の商標法に基づき正当に登録されているものも数多く含まれている。

また、調査に使用した中国商標局の「中国商標網」が、免責事項として、提供している情報はあくまでも参考データであるとしていることから、本調査は正確性の点において限界を有している。

 

6 都道府県・政令指定都市名等の状況

都道府県名については、都道府県47のうち、27の名称が商標登録されていることが明らかになっている。※『日本貿易振興機構(JETRO)北京事務所 「中国における日本の地名等に関する商標登録出願について」2012 年12 月』参照 別添資料1

 

7 都道府県の対応状況

中国における都道府県名の商標登録に係る対応状況について、各都道府県あてにアンケート調査を実施した(平成24年9月現在)。その結果、回答のあった38団体のうち、20団体においては、都道府県名の中国における商標登録の状況を把握している、或いは、出願状況等について監視をしているとのことであった。

 

<対応している団体>20団体

青森県、岩手県、宮城県、福島県、栃木県、埼玉県、富山県、山梨県、長野県、愛知県、

京都府、奈良県、和歌山県、岡山県、香川県、高知県、佐賀県、長崎県、宮崎県、鹿児島県

 

<対応していない団体>18団体

北海道、秋田県、山形県、千葉県、新潟県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、三重県、

大阪府、兵庫県、島根県、山口県、徳島県、愛媛県、大分県、沖縄県

 

<回答なし>9団体

茨城県、群馬県、東京都、神奈川県、滋賀県、鳥取県、広島県、福岡県、熊本県

※平成24年9月現在

 

 

8 各自治体に求める対応について

(1)オール○○県(市・町・村)としての対応

自治体内の縦割り主義(総務の知財担当部署で対応すべき、商工労働担当部署で対応すべき、農林水産担当部署で対応すべきといった自治体内での縦割り主義)、あるいは県か市町村かなどの自治体間の消極的縄張り主義を排して、オール○○県(市・町・村)としてこの問題に取り組むべきであると考える。

そのための一例として、自治体内の関係部局及び関係団体等を入れた形で協議会等を開催し、関係者が一丸なってこの問題に対応することも十分考えられると思われる。

 

(2)しっかりとした現状把握

今後の対応を検討するためにも、地名が、どのような分野において、どのような個人・業者によって商標登録されているのか等について、しっかりと調査し、現状把握することが必要と考える。

 

(3)商標登録について戦略的なビジョンの構築

全ての地名を、全ての分野にわたって、中国で商標登録をされないように管理していくことは、マンパワーやコストの観点から困難であることは明らかであるとともに、そもそも中国への進出が想定されない地名あるいは地域のブランドとして守る必要が無い地名等については、中国内で商標登録されようとも実害は生じないことからこれを放置することも一つの有力な手段である。

そのためには各自治体内で、将来中国への進出が想定される分野等についてしっかりと検討するとともに、どの地名を中国における冒認出願から守るのかという戦略を構築するが必要と考える。

そして検討の結果、当該冒認出願から守るべき地名等がある場合には防衛的な出願を行うなど、適時の出願・登録にむけた体制整備を図ることも必要と考えられる。

 いすれにしても、各自治体名等が中国で冒認出願されないよう、「自分たちの地名・ブランドは自分たちで守る」という強い決意と実効的な体制づくりが必要と思われる。

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